魚醤作り
以前手作り味噌や味噌に溜まった汁から作る醤油を紹介しましたが、今度は魚醤作りに挑戦しました。
魚醤と言えば秋田のしょっつる(塩魚汁)、能登のいしる・いしり、香川のいかなご醤油の他タイのナムプラー(ナーム:水・汁、プラー:魚)、ベトナムのニョクマム、イタリアのコラトゥーラ、古代ローマのガルムなど世界中に沢山あります。
元々魚などを塩漬け(塩辛状態=魚醤:うおびしお)にし、そこから析出する液体を濾過したものが魚醤油(さかなじょうゆ)で、一般的にそれを魚醤(ぎょしょう)といっているようです。
味噌作りも簡単でしたが魚醤のほうがもっと簡単です。
イワシやアジなどの小魚を塩漬けにして一年間放置するだけで出来上がります。
魚と塩の重さの割合は約4対1(魚の重さの20~30%の塩)にして混ぜ合わせビン詰めにします、この時内臓は捨てずそのまま漬けます。
筋肉にもタンパク質分解酵素は多少含まれますが内臓には沢山含まれているので、酵素がより強く働き分解が促進されるそうです。
数か月経ち真夏になると身がドロドロに融けグロテスクな茶色い液体になりました。
蓋を開けて臭いを嗅いでみると魚の干物のような香りがし、全く腐敗臭のようなものはありませんでした。
スプーンで混ぜると骨は融けずに残り、身はドロドロでそのスプーンを勇気を振り絞って舐めてみると、なんと「あら美味し」でした。
塩辛なんで美味しくて当然ですが、カツオだしやいりこだしと同じくアミノ酸が豊富に含まれた旨味の塊です。
一年たち熟成されいよいよ濾過です。
一度ザルで漉し骨やウロコを取り除き、魚の半量の水を加え火にかけ発酵を止めます。
この時点で辺り一面強烈なナムプラー臭で覆われましたが、換気扇最強全開でなんとかしのぎました(いや、全然しのげてなかったですが)。
できた液体を漉すのですがいきなりペーパーフィルター等を使用すると目詰まりし時間がかかるので、ストッキングタイプの水切りフィルターで一度大まかに漉し、その後ザルにキッチンペパーを敷き漉しとると茶色の澄んだ液体が濾過されました。
スプーンですくって飲んでみると塩辛いけど豊な旨味のある魚醤が出来上がりました。
我が家では主にパスタに使っていますがチャーハンやキムチ・卵料理・鍋物など、醤油やだし代わりに使えるようす。
(宇山)